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2012 05,06 12:58 |
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GWも終盤、皆様良い休日をお過ごしだったでしょうか。
スパコミ発行物に印刷所の記載を忘れて青褪めたumeです。こんにちは・・・・・・ うわああああ!!日光企画様に刷って頂きました! お世話になっているのに本当に申し訳ない!! スパコミで当スペースにお立ち寄り下さった方、ペーパー貰って下さった方、ありがとうございました。 そして、折原さん永遠の21歳おめでとうございました。 もうお前は永遠にピチピチでいろ! さて、次回は13日の因禁です。 新刊有の予定です。ヌルイ結婚話です。 スペースNo.B17 です。 先着で引き菓子(と言う名の旅行のお土産)をお配りします。 外国のチョコ(チョコ(ベルギー)をペーパーナプキン(オランダ)で包んだ残念仕様)なので、お口に合わないわ、と言う方は不要とお申し付け下さい。 当日どうぞ宜しくお願い致します。 以下、サンプルです。 因禁サンプル【Lilium candidum冒頭部分より】
その知らせを持ってきたのは波江さんで、彼女が俺より先に情報、それもかなり貴重な情報を掴んでくるのは珍しかった。貴重って言うのは俺に取って、って話で、彼女にしたら本当にどうでも良い事だって言うのはその口調で分かった。 俺にしたら青天の霹靂、寝耳に水で、彼女の放った一言に反応するのに少し時間を要した。 「ごめん、何だって?」 俺のお遣いで外出していた彼女は上着をハンガーに掛けながら、だからと平淡な声で言う。 「貴方の天敵、結婚するそうね」 聞き間違いじゃなかったんだ。俺の天敵って言うと一人しかいない。高校時代から続く腐れ縁、手駒にしようとして失敗した相手、死んで欲しいと強く願う相手、自分のものにしたいと熱望した相手。 そうか、シズちゃん、結婚するのか。 俺は俯いた。波江さんの視線を感じる。 「知らなかったの?貴方が?」 心底驚いている声が重石になって更に項垂れる。珍しく気遣うような波江さんの視線を感じたけど、まずい。震えが止まらない。 「ふっ、くっ」 「ちょっと・・・・・・大丈夫なの?」 静雄が結婚したら、池袋へ行っても今までのような反応は望めないだろう。何よりも優先する存在が出来たら人は変わってしまう。それを進化と呼ぶか、退化と呼ぶかは人それぞれだが、静雄に限っては退化だ。もそもそも静雄は人ではなく、人の括りから外れた化け物なのに、結婚するなんて、到底容認出来ない。何を人間みたいなことをしてるんだ、化け物のくせに。長い間、敵として恨み恨まれしていた相手が自分を置いて変わってしまうのを受け入れるには急な話過ぎた。それは、誰よりも早く掴んでいるべき話なのに、よりによって秘書に聞くまで知らなかった。 って考えて、ショックのあまり泣いてるって思ったんだろうね、波江さん。突然、笑い出した俺に珍しく隙のある呆然とした顔をしている。その顔も美人だね。 「ははっ!シズちゃんが結婚!?面白いこと言うね、波江さん!最高の冗談だよ、ふふっ、あははっ!!君でも冗談言うんだ!」 氷のような冷たい視線を感じても笑いは止まらない。だって、あり得ない。いくら力のコントロールを覚えたからって、キレたら我を忘れるシズちゃんがいつ傷つけるか分からないのに、誰かを側に置くなんて、太陽が西から昇るくらいあり得ない。あいつは、その外見から想像もつかないくらい臆病なんだ。 回転椅子でぐるぐる回りながら腹を抱えて笑う俺に、優秀な秘書はこれ見よがしにため息をついた。爪の先ほども同情したことを後悔しているのが伝わってくる。いや、だってねぇ。これを笑わなくて何を笑うんだい。 「私が言ったんじゃないわ。岸谷先生よ」 「新羅が?」 級友の名前に俺は動きを止める。 弟に付き纏う少女に自らの手で整形手術を施し、それに協力した新羅と元研究者はギブ&テイクのドライな関係で繋がっている。そこに私情がないだけに、信憑性は高い。もっとも、彼女がこんな嘘をついてもメリットはないんだけど。 「俺の情報には引っかかってないけど」 首を傾げる俺を一瞥した波江さんは自分の分のお茶を煎れてデスクワークを始める。 「知らないわよ。私が聞いたのはそれだけ。貴方の網、穴が開いてるんじゃないの」 池袋の喧嘩人形が結婚するとなれば、その話は、彼をマークしているアングラな連中だけでなく、池袋を遊び場としているちょっと素行の良くない者の間でも一気に広がるはずだ。そうすれば、俺の手足となっている子達から必ず情報が入る。 俺の可愛い信者達は、俺がシズちゃんの動向に関心を払っている事を知っているから、絶対に教えてくれる。彼等以外にも、情報収集に余念のない俺は常に様々な方向にアンテナを張り巡らせているけど、そんな情報は欠片も入ってきてない。漏れるなんてない・・・・・・と思う。 「ちょっと出かけてくるよ」 気になる事は自分の目で確かめないと気の済まない質は昔から。トレードマークのコートを羽織る。 無駄になると分かってて、自分の分しかお茶を煎れなかった優秀な秘書には、俺の行動はお見通しって事なんだろう。 「見つかって怪我する前に帰って来なさいよ。私は適当に帰らせて貰うわ」 「はいはい」 優雅にお茶を飲む波江さんをちらりと見て返事をする。 本当に分かっているのかしらと言いたげな視線はドアが閉じる音と共にシャットアウトした。 PR |
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